連載 英国助産婦学生日記・その31
実習がつづく
日方 圭子
1
1英国・サリー大学助産課程学生(ダイレクトエントリーコース)
pp.706
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100580
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●出産準備クラス
5月半ば,近所の診療所で,妊娠34週前後の初産婦さんを対象にした出産準備クラスを受け持った。この地域では1コマ2時間を5回。助産婦の他に理学療法士(姿勢,呼吸法,リラックス法)と保健師(産後について)も1時間ずつ担当する。平日午前の開催のため参加できるパートナーが少ないのが残念。妊娠後期になって,同じような不安や体験を持っている人たちに会いたくてクラスを訪れる人も多く,クラスで同じ頃が予定日となっている人がすぐ近所に住んでいることを知り,連絡を取り合って,サポート体制ができていくことがよくある。
私が受け持ったのは5週目最終回,「授乳と産後について」だった。クラスに参加することはあっても,受け持ちは初めてだったのでメントーのマンディが時々助け舟を出してくれ,クラスの進行を助けてくれた。講義形式ではなく,産婦さんたちが既に知っていることを引き出してグループでその情報を分け合って話し合えるよう心がけた。普通の胸と産後3日目の張った胸の違いを大きさの違うピンクの風船を使って話したり,マンディがセックスショップで買ってきたシリコン製の上半身と人形で授乳を実演し,参加者もそれぞれ持参した人形で赤ちゃんの抱き方を練習してみた。すでにグループのメンバーは気心が知れた同士になっていたせいもあり,質問が続出し話が盛り上がった。それでもやはり時間や環境が限られているなかで,参加者10数名の1人ひとりの期待に沿えるクラスにするのは難しかった。
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