連載 とらうべ
「夜ふかしの脳科学」を読む前に
神山 潤
1
1東京北社会保険病院
pp.537
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100130
- 販売していません
- 文献概要
ヒトは寝て,食べて,活動する動物です。眠らず,食べずではまともな活動ができる道理がありません。眠り,活動してこそ,食欲がわき,また活動し,食べてこそよい眠りを得ることもできるのです。でも周りを見回すといつの間にか人々はこの生物として当然のことを忘れ,思い上がり,傲慢になり,眠りを削り,ダイエットをしてまでも,活動に励もうとしているのではないでしょうか。今の世の中,さまざまな場面にこの生物として当然のことを疎かにした「ツケ」が回ってきているのではないでしょうか? ぜひ知っていただきたい眠り関連のポイント4つをここではご紹介します。
1.体温が下がって眠くなる:体温は朝が低く午後から夕方に上がります。赤ちゃんは眠くなると手足がぽかぽかしますが,これは手足の血管を開いて熱を逃がし始めたからです。体温が下がりはじめた合図,つまり寝つきやすいタイミングです。寝る前に熱いお風呂に入ると,また体温が上がり寝つきにくくなります。お風呂から寝るまでには数時間おいたほうが寝付きやすいでしょう。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.