研究
結婚前と産後の避妊法の実態
灘 久代
1
1愛媛県立医療技術大学
pp.440-443
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100113
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
我が国の人工妊娠中絶実施率は,全体としては年々減少しているが,妊娠経験をもつ女性の人工妊娠中絶経験者は,43%という高い割合を占めている1)。
10代の人工妊娠中絶が急増してきている一方で,依然として30代・40代の夫婦間の人工妊娠中絶をうける割合が,今なお非常に高いことを示している。望まない妊娠は,年齢を問わず健康へのリスクが大きく,女性が生涯にわたって心身共に健康な生活を送るためには回避できない問題であり,女性の健康問題は,性や生殖に原因を発するものが多い。
避妊や避妊法の現状については,数多くの調査報告があり,なかでも毎日新聞社人口問題調査会は,2年ごとに全国家族計画世論調査を行なっている。そのなかで避妊法の調査においては,未婚女性,既婚夫婦それぞれ現在の避妊法について調査が行なわれているが,他の報告と同様,縦断的調査は行なわれていない2)。しかし既婚女性の避妊法においては,婚前からの男女関係や避妊法が大きく左右することが推測できる。
そこで本研究では,初めて出産された褥婦から,婚前と産後の避妊や避妊法の実態を明らかにすることで,女性が生涯にわたって予定外の妊娠を避け,より健康に過ごせるために,どのような時期に,どのような指導や支援を必要としているのかの示唆を得ることを目的とした。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.