特別記事
継続的・実践的な地域アセスメントを学ぶために—映像教材の開発・活用と学びのポイント
塩見 美抄
1
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻地域健康創造看護学分野
pp.50-55
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201914
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
保健師の醍醐味は、地域住民のニーズに応じて活動を刷新・創造していけることだと、私は学生時代からずっと信じ続けている。それができるためには、地域住民のニーズを明らかにする地域アセスメントが欠かせない。しかし、現場の保健師からは、地域アセスメントへの困難感が語られ、PDCAサイクルを回すための地域アセスメントが十分にできないという理由で、研修を依頼されることも多い。
では、保健師は本当に地域アセスメントができていないのかというと、とてもそうは思えない。学生の実習でお世話になった先では、地域特性に応じた活動をしている様子を保健師から聞かせてもらえるし、地域アセスメント抜きに活動をされていることなど、まずない。また、地域アセスメントは保健師基礎教育の必須の単元であり、どの教育機関においても演習・実習を交えた教育がされ、地域アセスメントに関する国内文献のほとんどが基礎教育に関することであったほどに1)、多くの工夫がされている。
それにもかかわらず、保健師が地域アセスメントを難しいと感じている背景には、実践者らしい地域アセスメントが十分に表現されていないことがあるのではないかと思い始めた。そこで、実践的で継続的な地域アセスメントをモデル化する研究に取り組み、実践に活用してもらえるようにモデルを基盤にした映像教材を制作したので、ここに紹介したい。
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.