連載 ここがポイント!アレルギーの「保健指導」・3
小児アレルギーに関する最新の知見と対応法
福家 辰樹
1
1国立成育医療研究センターアレルギーセンター総合アレルギー科
pp.232-238
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201839
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はじめに
アレルギー疾患は有病率が高く、世界的に関心の高い健康問題として知られています。特に食物アレルギーは今でも増加傾向をたどっており、発症リスクや予防に対する社会的期待は大きく、またそれを伝える医療者側の責務も大きいと言えます。
アレルギー疾患は幼児期までに発症するものが多く、その時期の診療を担う医師や看護師、育児指導に携わる保健師や栄養士などにとっても、最新で質の高いエビデンスを取り入れて適切に指導することは個々の児の未来だけでなく、医療・社会保障費の削減を導くことにもつながり重要です。
近年、正しい「保健指導」を行うことでアレルギーの発症予防や治療に貢献できることが期待できるようになりました。特にアレルギーの発症予防については、一昔前と180度考え方が変わり、今まで「良かれ」と思ってやっていたことが、かえってアレルギーの子どもを増やしてしまう可能性さえ指摘されています。
本稿では、乳幼児に対する保健指導の場において小児アレルギーに関して保護者からの質問や支援が求められた際に、発症や増悪の予防を指導し、医療機関への受診を勧奨するために必要なアレルギー発症の仕組みなど、必要な知識について解説します。
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