調査報告
健康づくりに関する啓発イベントの評価に伴う作業負担の定量化
堀内 美佐
1,2
,
兵法 彩
1
,
下野 僚子
1
,
大久保 達也
1
,
菊池 康紀
1
1東京大学総括プロジェクト機構「プラチナ社会」総括寄付講座
2和歌山県福祉保健部健康局健康推進課
pp.568-575
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201461
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緒言
高齢化が急速に進展する中で健康寿命の延伸が必要とされており,自治体では健康日本21(第二次)1)に基づく健康増進計画の策定が進められ,多様な保健事業が実施されている2)。生活習慣病の一次予防を目的とした保健事業では,食生活,運動,休養,喫煙,飲酒等の生活習慣の改善に向けた幅広い活動が行われている。
保健活動の効用の可視化は効果的な事業を継続的に行うために重要であり,指標やマニュアルなどによる評価の在り方が示されている3)。例えば,健康診断や生活習慣病予防教室等では,活動の中で測定される体重や血圧等の検査値などのデータ収集および分析により,比較的容易に評価が可能である。一方,健康無関心層4)を含む不特定多数の住民の健康意識の向上を目的としてリーフレット等の配布を行う啓発活動の場合,活動とは別に評価のためのデータ収集および分析作業が生じるため,評価まで至っていないことが多い。
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