連載 見たい統計 自在に分析! 保健医療福祉計画データウェアハウス・3
衛生行政報告—精神,難病,母体保護を中心に
岡本 悦司
1
1福知山公立大学地域経営学部
pp.618-624
発行日 2018年7月10日
Published Date 2018/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200981
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旧・優生保護法下における障害者に対する強制不妊手術を巡って国に謝罪と補償を求める動きが起こっている。声を上げにくかった被害者の広がりを示す根拠としてさかんに引用されるのが,優生保護統計などの行政報告統計である。行政報告は人口動態統計とは異なり,個票を収集するのではなく,都道府県や自治体からの集計数のみなので,個票にさかのぼって調べることはできない。都道府県には個票があったはずだが,古い記録の多くは処分されており,もし被害者を対象に何らかの救済措置がとられるとなると,該当者の把握が問題になるだろう。
今回は「衛生行政報告」と,現在はそれに統合されている母体保護統計(以前の優生保護統計)についてのデータウェアハウスの活用を取り上げる。前回紹介した「地域保健・健康増進事業報告」は市区町村単位である上,データが性・年齢階級別や疾患別に集計されていてデータ量が膨大になるため,ACCESSで作成したデータをPower Pivotという新機能でExcelファイルに組み込んでいたが,今回取り上げる衛生行政報告は,都道府県と政令市のみであり比較的データ量が少ないため,通常のExcelファイルのまま提供する(図1,http://www.jmedicine.com/EISEIGYOSEIDWH.xlsx*)。
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