連載 ナカイタ発 保健師へのつぶやき・50
第26回ICN4年毎大会 in バルセロナ
中板 育美
1
1日本看護協会
pp.683
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664200751
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2017年国際看護師協会(ICN)会員協会代表者会議および第26回ICN4年毎大会に坂本すが前会長と参加してきました(5月23〜29日)。この時期のバルセロナは過ごしやすく,海岸や公園では市民が読書を楽しんだり,ペットと戯れたり,ゆったりとした時間を過ごしている風景に心がほぐれました。同時に,慢性的多忙を反省し,タイムマネジメント力の低さを自覚させられた旅でした。
さて,まず1つうれしいニュースです。第26回ICN4年毎大会開会式にて,笹川陽平氏(日本財団会長)が保健人権大賞を受賞されました。スピーチはとても聴衆の琴線に触れるものでした。笹川氏は「私たちはハンセン病と出会い,病気とスティグマ(社会的烙印)や差別の問題まで巻き込んでしまった社会の責任の重さを引き受け,保健と人権,双方の分野に取り組んできた。私たちの活動のその横で,スティグマに苦しむ人々に献身的に寄り添い続けたのは,世界中どこにあっても看護職だった」と述べられました。続けて,ハンセン病を優れた観察力で発見し,感染を知ってショックを受ける患者やその家族の気持ちに寄り添い,助言や治療法を丁寧に説明していたブラジルの看護師との出会いを取り上げ,「偏見を持つことなく,差別することもなく,使命感を持ってハンセン病の患者や回復者たちのための心身のケアに取り組んでおられる全ての看護職とともにこの賞はある」と述べてくださいました。
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