活動報告
大学主催の保健師実習指導者研修会
小笹 美子
1
,
宇座 美代子
1
,
古謝 安子
1
,
當山 裕子
1
1琉球大学医学部保健学科地域看護学
pp.642-646
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101420
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はじめに
公衆衛生看護の実践現場で学生が保健師教育課程の実習を行うことが全国的に年々厳しい状況1)になっているが,本学では離島も含めた沖縄県内の約30か所の市町村,保健所からの協力を得て3週間の保健師実習(地域看護実習Ⅱ)を行っている。学生は指導保健師の支援を受けながら,単独の家庭訪問,住民に対する健康教育,地区組織代表者へのインタビュー,集団健診の問診などを体験している。とくに,家庭訪問に関しては,見学だけでなく継続訪問ができる実習環境の提供を受けている。学生は実習の経験をとおして,個別支援が地域づくりの基礎になっていること,健康マイノリティーが抱えている健康問題の多様性,社会文化の変化によって地域社会のつながりが変化していることなどを学んでいる。
しかし,近年保健師の分散配置が進み2),学生の指導を担当できる保健師が少なくなってきた。加えて,団塊の世代の大量退職をきっかけに,保健師が培ってきた後輩指導の伝統が揺らぎつつあるように感じられる。
そこで今回,琉球大学の財政的支援を受け,琉球大学医学部保健学科地域看護学教室が沖縄県で初めての保健師実習指導者研修会を主催したので報告する。
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