連載 ニュースウォーク・128
トーンダウンも波高し 神奈川県“禁煙”条例案
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.1026-1027
発行日 2008年11月10日
Published Date 2008/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664101098
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映画「おくりびと」のロードショーを待って9月の三連休初日に横浜みなとみらい地区の映画館に出かけた。本木雅弘の納棺師が評判の作品なので早めに出かけたのに本日分はすべて完売。あきらめて翌々日に再挑戦して午前9時半には映画館へ。ところが他館の人も交えて長蛇の列でチケット売り場すらみえない。1時間並び,ようやく夕方の部を2枚買えた。
人気どおり良い作品だった。笑いもあったが,それ以上に涙が4回も5回も出た。銭湯のかみさんの納棺で,夫の仕事を妻の広末涼子が初めてみるシーンがある。けがらわしい仕事と一度は家を飛び出した妻が,夫の所作に目を見張っていく。死化粧をしてやる手,故人が好きだったスカーフをそっと結んでやる気持ち。死者への優しさに満ちた一部始終に,妻だけでなく映画を観る人にも「死の尊厳」を気づかせてくれる。
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