連載 いま,ほんとうに必要な育児支援とは何か? 「大阪レポート」から23年目の調査が描くもの・8
「人づきあいが得意ではない母親」も参加しやすい子育てサークル―子育て支援の基本戦略
原田 正文
1,2
1大阪人間科学大学人間科学部社会福祉学科
2こころの子育てインターねっと関西
pp.812-816
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100558
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この連載では,2003(平成15)年に実施した子育て実態調査「兵庫レポート」と1980(昭和55)年生まれの児を対象に調査された「大阪レポート」を比較検討し,報告しています。今回取り上げる「子育てサークル」は,「大阪レポート」では調査項目に入っていません。というのは,「子育てサークル」というのは1980年代後半から日本全国に自然発生的に生まれたものだからです。「大阪レポート」の基礎となった調査を分析していた頃は,「子育てサークル」の話題はまったく出ませんでした。私がその存在に気づいたのは,1992年頃です。読者の皆さんはいつ頃「子育てサークル」の存在に気づきましたか?
今回は,「子育てサークルに参加している母親を,専門職は誤解していないか」という問題意識から,「兵庫レポート」の結果を紹介します。専門職の方からよく聞く意見は,「子育てサークルに参加しているような元気な母親に対して支援する必要がない」というものです。はたしてその認識は正しいのでしょうか? 今回は,子育て中の母親全体をどのように支援すべきか,という子育て支援の基本戦略にもふれたいと思います。
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