特別記事
カナダ地域保健看護の実践基準
平野 かよ子
1
,
原 礼子
2
1国立保健医療科学院公衆衛生看護部
2慶應義塾大学看護医療学部
pp.42-55
発行日 2007年1月10日
Published Date 2007/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100358
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カナダの地域保健看護の実践基準を翻訳して
昨今,看護師をはじめ保健師や助産師の基礎教育のあり方について,厚生労働省や日本看護協会,また,看護系大学や保健師教育機関協議会,さらに関連の学会においても論議されている。とくに保健師の養成については,養成機関の大半が看護系大学となり,卒業時点での実践能力の不十分さが問題となってきている。保健師の卒後の実践能力が問われ,保健師免許の取得が保証する能力が揺らいでいるときに,ここで紹介するカナダの地域保健看護の実践基準は,今後,日本の保健師の実践能力を論議するうえで大いに参考になるものと考える。
この実践基準は,昨年(2005年)に東京で開催された第3回国際地域看護学会にカナダから参加されたノラ・ホワイト女史からいただいた。彼女はこれまで日本看護協会が行っている先駆的保健活動推進事業の指導・助言者として,また日本地域看護学会の教育講演者として何回か来日され,日本の保健師の活動に深い理解を示されアドバイスを下さっている。カナダの地域保健,公衆衛生を担う看護師は科学的な根拠を大切にするとともに,価値や理念が重要であると考え,カナダ看護協会がそれらを大切にした保健師の実践基準を作成し,新たに改定されたということで,この実践基準の小冊子をくださった。わが国において,ぜひ翻訳し,日本の保健師の実践基準について論議する素材になればと思った。そこで早速,カナダ看護協会に翻訳の許可をお願いしたところ,ホワイト女史のご助力もあり,許可をいただくことができた次第である。
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