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災害時こそ母乳育児を―授乳中のお母さんにできる支援とは
前山 美由紀
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1兵庫県三田健康福祉事務所
pp.412-413
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100171
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1995年の阪神・淡路大震災のとき,兵庫県伊丹市で被災した私は伊丹保健所で被災保健活動をしていました。私はちょうど授乳中で,避難所でのミルクのことは少し話題になりましたが,母乳育児支援はほとんどしていませんでした。
避難所ではインフルエンザが流行していましたが,母乳には,病原体に対する特異的な免疫をつけられる感染症対策としての優れた効果があります。また,赤ちゃんだけでなくお母さんの気持ちを安定させる効果があります。こういった経験から,災害時にも母乳育児を続けられること,母乳育児率を上げることが災害から赤ちゃんの健康を守るために重要な公衆衛生上の課題だと感じていました。また,多くのお母さんが母乳育児ができれば,ミルクで育てているお母さんと赤ちゃんにも,もっと手厚いケアができるだろうに,と思っていました。
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