連載 ニュースウォーク・95
「西班牙感冒」再来への備え
白井 正夫
1
1元朝日新聞
pp.172-173
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664100050
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週1回通うスペイン語教室でインフルエンザが話題になると,スペイン人の先生は決まって「スペイン風邪の不当」を訴える。わずか6人の生徒の誰かが風邪で休むとか,「新型」や「鳥」が大きなニュースになるとか,1年を通してインフルエンザや風邪の話題はこと欠かないから,先生の話は年に何回も聞かされる。おかげで聞き取りにくい早口のスペイン語も,先生の言い分だけはわかるようになった。
“スペイン風邪”という呼称は歴史上の大きな誤りで,そう呼ばれる理由はない。スペインはこの名前のおかげで,もう100年近くも迷惑を受けており,汚名を何とか晴らしたい。これが先生の言い分である。
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