特集 全寮制度を再検討する—通学制実施の中から
—熊本大学医学部付属看護学校—学生の通学賛成者は61%
日隈 正子
1
1熊本大学医学部付属看護学校
pp.11-13
発行日 1963年11月1日
Published Date 1963/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908781
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はじめに
本校で通学制を実施したのは昭和35年4月からです。学則または原則として入寮することになっていますが,昭和34年5月新しい寮ができました。古い寮は,定員180名収容可能でしたが,新しい寮の収容定員は144名でした。当時看護学生139名助産婦学生6名でした。寮がせまいということは翌年の募集人員に関係してきます。その年の卒業生は47名でしたので1学年も同数しかとれないわけです。その当時全寮制なのだから収容可能人員だけを入学させればよいという意見と,また一方には,ナース不足の問題を考えた時,定員(60名)入学させ,寮に収容できない学生は通学させたらよいという意見とありましたが,結果としては後者の意見のほうが多く,通学制をとりいれたわけです。もう一つの理由は少数ではあるが,毎年入学試験時期になると,家庭の事情で特別に通学を認めてほしいという志願者がありましたが,全寮制なのでこれらの学生は看護学校を希望しながらも,他の学校へやむなく行っておりましたが,看護教育は全寮制でなければできないかということも常々考えておりましたので,この際通学制の問題を研究してみたいと思いました。さらに毎年市内あるいは通学可能地域の保護者からの要望,学生自身の希望などもありましたので通学制を実施したわけです。
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