編集デスク・10
冷房と科学心
長谷川 泉
pp.417
発行日 1961年8月1日
Published Date 1961/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908759
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冷房の季節になった。新聞紙の報ずるところにょると,度を過ごした冷房しすぎによって冷房病の発生が起こっているという。ついこの間も腎臓病が悪化して死亡にいたった娘さんのことが報じられていた。医歯大の島本教授は,はっきりと冷房のしすぎによる身体の調節機能のアンバランスによる死亡だと断言していた。冷房の完備したビルなどにつとめる女性にとっては,決して無関心ではいられない問題である。
暑い夏の間,温度や湿度が適当に調節されて,快適な生活が送れるならば,それは大いに能率向上に役立つし,仕事の成績もあがるというものだ。しかし,あまりに冷房の行きすぎがあったりして,ストレスが身体を害ね,疾病を引きおこし,ひいては死者を出すようになると,これは問題である。
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