特集 健康と疾病意識
日本人の疾病意識とインフォームド・コンセント—「がん告知」を妨げている要因
渡会丹 和子
1
1千葉県立衛生短期大学
pp.587-607
発行日 1989年10月25日
Published Date 1989/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908702
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はじめに
戦後日本の社会変化と疾病意識の変化
科学技術の進歩は,人類の生活や意識を著しく変化させたが,戦後の日本ほどライフサイクルやライフスタイルを急激に変化させた国はなかろう.高度の情報化社会の到来によって,衣,食,住の変化はもちろん,30年前には想像もできなかった社会が出現してしまった.
日本人の生活の構造的な変化は,人口の高齢化をはじめ疾病構造の変化など,これまでの日本社会にみられなかった新しい状況を生みだし,日本人の意識をも大きく変えることとなった.しかし,あまりにも急激な変化は,社会の変化に疾病意識の変化が追いついていけないという事態もでてきている.
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