JNEトピックス
聖路加看護大学にわが国初の看護系博士課程が誕生—日野原重明学長に聞く
pp.430-431
発行日 1988年7月25日
Published Date 1988/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908531
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聖路加看護大学にわが国で初めての看護学の博士課程が誕生したわけですが,その内容・意味などについて聞かせてください.
このたび認可された博士課程は,正式には「聖路加看護大学大学院看護学研究科看護学専攻博士後期課程」というたいへん長い名称です.大学院での教育は前期が2年間の修士課程,後期3年間の博士課程ということになっていますが,聖路加看護大学では1980年に大学院修士課程を発足させているので,今回の博士課程は,増設ということになります.大学の博士課程の目的は,研究者として自立した研究活動を行うのに必要な高度の能力を養うことにおかれています.しかし日本の看護の現状は准看護婦を含んでいることに象徴されるように,まだまだ社会的にみてレベルが低いわけですが,博士課程が誕生すればレベルアップにつながると考えています.
専門分野の教育を行う場合には,その分野の人が教育にあたるのが常識ですが,看護教育においては解剖生理や病態学などの教科書を医師が書いたり授業をしているといったことが,いまだに当然のようにされています.これは高いレベルの看護教育がされてこなかったために,看護の分野の人がすることが可能ではありませんでした.今度の博士課程の誕生によって,こうしたことは順次解決していくことになると思います.
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