特集 これからの医療とPOS—第8回POS研究会報告
Ⅳ.シンポジウム2‘POSと教育’
内科教育におけるPOSの問題点
橋本 信也
1
1東京慈恵会医科大学第三内科
pp.911-912
発行日 1986年12月30日
Published Date 1986/12/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908321
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POSの導入によって従来の主観的,冗慢な診療方法が改善され,系統的かつ論理的な診療が行われるようになった.米国Vermont大学病院における内科卒後研修が,このPOSに基づくプログラムの強化によって,質の高い研修医教育ができるようになったという最近の報告によってもそれは明らかなことである1).しかし一方,この方式による診療も,実際面で問題がないわけではない.たとえば内科臨床実習で医学生はPOSの理論はよく理解できても,実際には十分な効果を挙げていない場合があるし,卒後の研修医たちも既に学生時代にPOSを習って知っているにもかかわらずこれを活用していないことが見受けられるのである.
そこで内科教育におけるPOS実施の問題点について,実際に教育の現場にいる立場から,卒前と卒後に分けて考えてみたいと思う.
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