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‘老人看護’の学習に関する一考察—東京都立新宿看護専門学校の場合
五味 きよみ
1
,
上田 房子
1
,
遠藤 恵美子
1
,
野々村 典子
1
,
畠山 義子
1
1東京都立新宿看護専門学校看護科
pp.101-107
発行日 1979年2月25日
Published Date 1979/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907308
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はじめに
近年,老齢人口の増加,疾病構造の多様化,老人の福祉と社会保障の充実などに伴い,看護の対象として老人がクローズアップされ,その看護のあり方は実践の場において大きな課題となっている.これらのことに基づいて看護教育の場でも,‘老人看護’の授業をどのように展開したら,学生がより幅広く理解し,実践に結びつけることができるかは重要なテーマとなっている.元来,看護学校のカリキュラムでは,老人看護の学習は‘成人看護学’の‘概論’と‘保健’の科目でおさえられ,さらに‘疾患と看護’の各論で深められることになっており,この点では,運営上学校ごとの多少の工夫はあろうとも,大きな違いはないと思われる.
本学院学生の臨床実習での看護実践をみる時,老人の看護はすぐれて社会性の強いものであるにもかかわらず,個のレベルで生物科学的なとらえ方に終始しているきらいがあり,社会的存在としての老人のもつ問題点にほとんど目を向けていないことが問題となっている.そこで検討を重ね,3年次における‘老人保健’の授業で,現代社会における老人問題から老人看護のあり方を考える展開を試みた.
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