教育の眼
学校と塾
佐藤 忠男
pp.404-408
発行日 1973年6月25日
Published Date 1973/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906685
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近代の学校教育制度は,人々の知的な水準を高めるうえで非常に役にたった.このことは,いわばわかりきったことで,いまさら言うまでもないであろう.しかし,われわれが,学校制度がいかに有意義なものであったか,ということばかりを自明のこととして考えるあまり,学校制度のマイナス面,ということを考えようとさえもしないのはどんなものであろう.学校制度によって,人々の生活につけ加えられた価値があるのは当然のことながら,学校制度によって,人々の生活から奪われたものもあるのではなかろうか.
第1に考えられることは,学校制度によって,職場での教育の機会が大幅に奪われた,ということである.
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