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看護業務の質的レベルと分担との関係—厚生省主催 看護教員養成講習会看護総論研究第1グループ
鈴木 正子
1
,
佐野 恒子
2
,
新宮 好子
3
,
厚見 絹子
4
,
藤原 ヤスエ
5
,
三宅 都喜子
6
,
河野 温子
7
,
田辺 道子
8
1兵庫県立厚生専門学院
2川崎高等看護学院
3高校高等看護学院
4関西医大付属高等看護学校
5旭川荘厚生専門学院
6聖華高等看護学院
7鹿児島大学医学部付属病院
8国立岡山病院
pp.59-64
発行日 1972年1月25日
Published Date 1972/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906551
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はじめに
看護業務の質的分析については,東京大学医学部衛生看護学科基礎看護講座において1963年から1964年にかけて行なわれた湯槇らによる一連の研究が報告されているが,看護業務の質的分析に関する報告は比較的少ない1-9).湯槇は従来の看護業務分析においては,個々の行為としてのみとらえており,看護の深さを表現するものとなっていないとして,量的な分析のみでなく,質的分析が必要であることを述べ,量的分析において単に行為として輸血介助,教育指導と教えられても‘輸血の介助をしながら患者の不快感を軽くするようくふうし,必要な助言を与えた’など看護行為は複雑であり,一見補助者にまかせてもよいと思われる行為でも患者によって,さらに深い看護が必要である,と述べている.
われわれは今回この‘一見補助者にまかせてもよいと思われる行為でも患者によってさらに深い看護が必要である’点に着目した.湯槇らは看護を3つのレベル(表1)に分け質的分析を行なっているが,このレベル表には波多野も指摘しているとおり判断基準表がない10).
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