特集 よい“教授活動”とは何か
私の考える“よい教授活動”とは—その要因となるものを中心に
大河原 千鶴子
1
,
坂ノ上 淳子
2
,
島田 ツル
3
,
原 萃子
4
,
藤枝 知子
5
,
松木 光子
6
,
米道 一二三
7
,
和井 兼尾
8
1埼玉県立厚生専門学院
2国立療養所福岡東病院付属高等看護学院
3弘前大学医学部付属助産婦学校
4都立荏原高等看護学院
5東京女子医科大学看護短期大学
6大阪府立公衆衛生学院看護部
7同愛記念病院付属高等看護学院
8高知女子大学家政学部衛生看護学科
pp.1-7
発行日 1971年8月25日
Published Date 1971/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906493
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今から10数年前のことである。新制度といわれた高等看護学院を出て臨床で働くことに慣れ,やりがいを見いだして熱を入れはじめた時に,母校の付属高等看護学院の専任教員となった。すぐに3か月の厚生省文部省主催の講習に出してもらって,学院の事情など何が何だかわからなかったけれど,とにかく学習指導案(教案)なるものを教わって1時間の授業のためにその3倍以上の時間をかけて夜遅くまでたんねんに下調べをした。
それでも学生の前に行くと,自分の立てた教案をしゃべるのがせいいっぱいで一よい授業とは一度立てた指導案を固守するのではなく,ある場合には指導案をのりこえて教育対象である生徒の動きに絶えず注意し関心と理解を示さなければならない一と云われても学生の能力や反応を見ながら,その展開方法を変えていくなどとてもできなかった。看護学校の問題点というと必ずといってよいくらい看護教員の養成をしてこなかったことがあげられるが,当時としては専任の看護教員をおいただけでも進歩だったのかもしれない。それにしても教員としてはまったくインスタントな出発であった。それから何年かして現在の進学コースに移った。
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