特集 学生自治を考える
私の考える学生自治
真の対話から始まる
中村 はつひ
1
1岐阜大学医学部付属看護学校
pp.21-23
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906168
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対話の必要性
最近,私たちはどこにいても,どちらを振り向いても,新聞・テレビ・ラジオなどマスコミを通じて,学生運動についての報道を聞かない日はないと言っても過言ではないだろう。私たちの学校においても,この影響によってみんなの心の中には,それぞれ何らかの形で学生運動,学生の自治というものを考えているように見受けられる。私たちが立派になるために勉学状態を考え,悪いところは直すよう努力する心はよいことだろう。でも大学によってはゲバ棒を振り上げ,教授連を閉じ込めるという暴力行為が平然と行なわれている。これが真の学生の自治たるものであろうか。
東大紛争がこの発端をなしたのだが,これは医学部の研修制度・教育設備・医学教育のあり方など,医学部に端を発した内部問題であったにもかかわらず,なぜ入試中止という大きな問題にまで発展したのか。この答えは明らかである。学校側,いわば経営者側と学生側の真の対話が,小さい問題であった頃になされていないからだ。
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