教育トピック
都教委による高校入試制度改善の問題
本吉 修二
1
1東邦大学
pp.44-45
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905772
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入学試験競争の激しさは,年々強くなっていくようである。有名な幼稚園入学から大学入学に至るまで多少の程度の差はあれ,狂気じみているし,異常な空気につつまれていることは否定できない。これに対する反省や改革の努力はこれまで関係者の間で全くなかったわけではないが,それらの改革の努力はただ掛け声に終っていただけで,これという実効をあげてこなかった。
このような中で,東京都教育委員会による東京都立高校選抜制度改善審議会(会長 森戸辰男氏)への都立高校の入試制度改善に関する諮問ならびにそれに対する同審議会の答申は,さまざまの波紋を高校入試を目前に控えた生徒をもつ父兄をはじめとして教育関係者その他に投げかけたようである。というのは,この改善の方針は,これまで文部省を始めとする関係諸機関の改善策にみられない具体的内容や方向をもち,さらに,ちょっとみただけでもいささか問題をふくんだ波乱含みのあるいみでは大胆な,見方をかえると無鉄砲な内容をふくんでいるとみられるものだからである。
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