グラビヤ
病院の中の学校
pp.41-44
発行日 1964年8月1日
Published Date 1964/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663905336
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□義務教育期にある小児結核患者に,入院しながら勉強する機会を与えようと職員や患者の強い願いと熱心な努力が実を結び,去る4月30日,国立中野療養所中野区立江古田小学校,第七中学校分教場が,都内ではじめての《病院の中の学校》として開校した。今までは,ドクター,ナース(本交参照),患者,その他の人びとが得意の科目を受けもったり,テレビやラジオによる講座を自習する,といういわゆる“寺子屋式教育”が行なわれていた。この間,ぜひ専門の先生を,と中野区教育委員会へたびたびお願いし,その熱心さが教育委員会を動かし,開校のハコビとなった。そして,それぞれの学校から,専任の講師を一人ずつ迎えることができた。現在,重症者7人を含む50人ほどの子どもが入院しながら学習している。小学生は午前中3時間の授業,1時から3時まで安静。中学は安静時間の後,2時間の授業を受ける。安静時間があるほかは,健康人とかわらない日程だ。
□最近リハビリテシヨンという言葉が医学にもちいられるようになった。小児科では療育といっている。治療と教育を一つにした言葉。教育がなければ治療の達成は望めない。結核の方面でも,肺機能検査のほうから安静療法に再検討がなされている。重症肺結核症に対しても精神療法,転換療法がとなえられている。
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