特別講座
「在宅看護論」私論―家族に依存しない在宅看護をめざして
川島 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.98-104
発行日 1997年2月25日
Published Date 1997/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903779
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はじめに
カリキュラム改正に伴う「在宅看護論」の新設は,時代的な背景を反映してまことに時宜を得たものといえます.しかし,一口に在宅看護論といっても,施設看護に対比してそれをいうのではなく,また現在の看護の主流ともいうべき病棟のベッドサイドケアの亜流でもないことを,皆さんとの共通の認識にしておきたいと思います.
私の所属する健和会では,20年前から,訪問看護を看護活動の中に位置づけ,下町の在宅の患者さんへのケアを実践してきました.そして,東京都で第1号の北千住訪問看護ステーションを皮切りに,もうすぐ9か所目ができるところです.1日断面調査でも750名の在宅患者さんを掌握しており,訪問看護スタッフも数十名,介護ヘルパーと協力して24時間の巡回型訪問も,試行中ですが軌道に乗りつつあります.
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