特集 臨床能力を高める教育の試み
医療従事者に対するACLS(二次救命処置)コースとその効果
山畑 佳篤
1,2
1麻生飯塚病院救急部
2ACLSを広める会
pp.836-841
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903292
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はじめに
みなさんの多くは,これまで心肺停止の患者に遭遇した経験がおありだろう.ではその時の蘇生の内容は満足いくものだっただろうか?数年前に当院の全看護師を対象に実施したアンケートでは,蘇生行為の手順や処置の技術に不安を抱いている者が半数を超え,蘇生現場に共に携わった医師や看護師に対する不満や,処置や手技が統一されていないこと等の不満が具体的にあげられていた.
ここであらためて書くまでもなく,心肺停止とは臨床に携わる限りいつどこで出遭うとも限らないものであり,処置開始まで分・秒を争う緊急事態である.医療の原点は「命を救う」ことであり,心肺蘇生手順は,たとえ心肺停止に出会う頻度が少ない職場環境であっても,全ての医療従事者がマスターしておくべき医療技術であろう.
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