調査・研究
育児におけるAging Educationの必要性の考察―Aging Educationの文献研究
忠津 佐和代
1
,
多田 敏子
1
1徳島大学医療技術短期大学部
pp.619-623
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900903
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はじめに
我が国の平均寿命は,1935~1936年の男46.9歳,女49.6歳から,1982年には,男74.2歳,女79.6歳になり,2025年には男75.1歳,女80.4歳になると言われている1).そして現代の我が国の社会において,高齢者は「老人」と呼ばれ,疎ましい存在であるという偏見で捉えられることが多い.平均寿命が短い時代には,多産であり子どもを育てあげると死までの期間は短く,老年期の過ごし方は個人の問題としてなおざりに済まされてきた.
しかし,老年期が長くなってきた今日,老年期をどう捉え,どう生きるかを考え直すことが必要になってきた.また人口構成の変動から,1981年には高齢者(65歳以上)1人を働く世代7.2人で支えていたものが,2000年には2.8人で支えることが予測される高齢化社会となっている2).そのため高齢者を無能視してきた社会も,今後老人パワーに期待せざるを得なくなり,老年期早々に高齢者を社会的役割から追放することができなくなってきている.
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