特集 教育にいかすカウンセリング
カウンセリングの学習とその活用―私の体験から
小林 八代枝
1
1大宮赤十字看護専門学校
pp.190-194
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900802
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1989(平成元)年度に看護基礎教育課程が改正されてから,既に4年が経過しようとしている.今回の改正は,その趣旨に「人口の高齢化,疾病構造の変化,医療の高度化,専門化,在宅医療の推進など,看護職員を取り巻く環境が著しく変化し,看護職員に求められる能力や役割が拡大してきていることをうけて,それにふさわしい教育内容とすることを目的として……」1)とあるように,将来的に社会のニーズに対応できるように学生自らが課題意識を持ち,主体的に取り組んでいく態度を育むことを目標としている.
その趣旨をくんで,今回初めて教育課程の基礎看護学・基礎看護技術・基本技術に「カウンセリングの基礎」が位置づけられた.看護においてカウンセリングは,看護の基盤となる人間関係の維持・発展および治療的援助関係場面などに多く活用されている.また青年期にある看護学生の自我の形成や看護職としてのアイデンティティ確立への援助,看護職者自身の職場への適応問題やキャリア開発への援助など,看護基礎教育や卒後教育および看護管理の場面において,カウンセリングを学習し活用することは重要な意味を持っている.
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