特集 地域とつながる看護教育
領域の枠をこえ、創造的な教育をめざすために―山形県立保健医療大学が示す地元志向のカリキュラム
菅原 京子
1
,
沼澤 さとみ
2
1山形県立保健医療大学看護学科 地域看護学領域
2山形県立保健医療大学看護学科 基礎看護学領域
pp.312-317
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201936
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時代と地元のニーズから考えるカリキュラム
山形県立保健医療大学(以下、本学)は、東京から概ね北に300km、山形新幹線で東京駅から約3時間の距離にある山形県山形市に立地する公立大学です。山形県は豊かな自然に恵まれた地であり、3世代同居率は全国1位、家族や近隣住民の相互のつながりを大切にする土地柄です。一方、大都市圏への若者の流出、公共交通機関や商業施設・医療資源の少なさによる生活の不便など、全国の「地方」が直面する課題を抱えています。
本学は2000年に4年制大学となって以降、保健師、助産師、看護師の養成機関として山形県内をフィールドに看護学教育を行ってきました。前身校(山形県立高等保健看護学院および山形県立保健医療短期大学)からの保健師教育の歴史もあり、たとえば、過疎地域の独居高齢者の介護問題、雪国の生活と生活習慣病など、学生が地域の状況と住民の健康を結びつける思考ができるよう注力してきました。
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