特集 看護技術の効果的な習得をめざして
4年間で看護実践能力を段階的に身につける山形大学医学部看護学科での学び
布施 淳子
1
1山形大学医学部看護学科
pp.602-611
発行日 2021年7月25日
Published Date 2021/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201761
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はじめに
第5次改正保健師助産師看護師学校養成所指定規則が2022年度から適用となる。この改正の背景には、地域包括ケアシステム構築の推進に向けた適切な医療供給体制を整備するねらいがある。そして、看護職には、医療介護における情報通信技術の活用、多様な場における多職種との連携、対象の多様性・複雑性に対応する看護を創造する能力などが求められている1)。
一方、大学入学共通テストの導入の背景にも、グローバル化の進展や人工知能技術をはじめとする技術革新などに伴い、社会構造が急速に、かつ大きく変革している状況があり、予見の困難な時代のなかで新たな価値を創造していく力を育てることが必要とされる。その育成の柱として、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の3つが挙げられている2)。これらは看護教育においても同様に求められるものであり、看護を実践するうえで身につけていかなければならない能力である。
山形大学医学部看護学科(以下、本学)では、上記した看護専門職としての実践能力を4年間を通じて段階的に身につける看護実践強化プログラムが組まれ、実践されている。本稿では、このプログラムおよび、その基盤となる基礎看護技術演習方法について紹介する。
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