特集 コロナ禍の経験をふまえた これからのシミュレーション教育
―福岡県実習補完事業に参加して―古賀国際看護学院の実践と展望
池田 敦子
1
,
宮崎 亜矢子
1
,
西 恵美子
1
1古賀国際看護学院
pp.526-530
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201744
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シミュレーション教育の導入状況
古賀国際看護学院(以下、本学院)は2016(平成28)年度に開校した新しい学校です。設立当初より、基礎教育での学びを臨床実践に移行するため、より臨床場面に近い形でのシミュレーションを導入した「統合演習」の科目を計画していました。そのため開設初年度から、数名の教員が阿部幸恵先生のシミュレーション研修会に参加し、そのメンバーが中心となり「統合演習」の組み立てを考えていきました。
2018(平成30)年11月、1回生3年次の統合演習を迎え、【複数患者に対して看護の優先順位を考える】という課題のシミュレーション演習を取り入れました。私たちはそのときの学生の様子や学びから、シミュレーション演習における学習者中心の学習方法の効果とともに、情報を整理し統合することが苦手な学生の特性に合っている学習方法であることを実感することができました。このことから3年次の「統合演習」だけでなく、1・2年次の授業でもシミュレーションを取り入れることができないか検討をはじめました。導入のためには教員1人ひとりがシミュレーションの手法を学び、同じレベルで理解する必要があると考えていました。2022(令和4)年のカリキュラム改正に向けて検討を重ねるなか、今回の福岡県実習補完事業の研修は、本学院にとってちょうどよいチャンスとなりました。
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