特集 コロナ禍の経験をふまえた これからのシミュレーション教育
―福岡県実習補完事業の概要と実際―ひらかれた看護教育に向けて
藤野 ユリ子
1
,
吉川 由香里
1
1福岡女学院看護大学看護学部
pp.510-517
発行日 2021年6月25日
Published Date 2021/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201742
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コロナ禍の福岡女学院看護大学
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、シミュレーション教育を活用した学内実習の実施を余儀なくされた施設も多かったのではないでしょうか。福岡女学院看護大学(以下、本学)は、附属病院をもたない単科の看護大学であるため、多くの施設の協力を得て実習を展開していました。そのため、昨年度は実習施設の受け入れ状況(受け入れ不可、時間制限あり、実習可など)に合わせていくつかのパターンを組み合わせながら実習を行ってきました。このような状況において、本学はシミュレーション教育センター(以下、センター)を有することで学内実習への転換がスムーズにすすめられました。センターを活用した学内実習は、臨床現場を想定した場面の再現が可能である利点があります。それと同時に、2017年度より本学全領域で導入してきたシミュレーション教育での指導経験が活かされたことを感じています。コロナ禍での実習展開は、本学がこれまで取り組んできたシミュレーション教育が、教員や学生にどのように活かされてきたかを考えるきっかけとなりました。
また同時期に実施していた、福岡県からの委託を受けた看護師等養成施設における実習補完事業、本学で開講した看護シミュレーション指導者育成プログラムなどを通じて、従来実習で行われていた学びを学内で実現するために教員に求められるものは何かが問われた1年でした。
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