増大号特集 特集2 新型コロナウイルスの影響と教育の展望
オンライン授業に関する工夫と今後の課題―筑波大学の取り組み
小澤 典子
1
,
菅谷 智一
1
,
浅野 美礼
1
1筑波大学医学医療系
pp.716-723
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201547
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オンライン授業開始までの経緯
新型コロナウイルスを報道で知ったのは2020年の1月。当初は対岸の火事くらいの認識でいたが、臨地実習の実習先病院では新型コロナウイルス対応を視野に入れて学生の受け入れ人数を変えるなどの対応がされるなど、大学への影響が出はじめていた。2月には大学よりリスク対応のメッセージが出された。その後、目下の関心事項は卒業式が開催できるかどうか、といったことが中心であり、春休み明けの授業開始までには目途が立つかもしれないという見方があった。その後、3月に入ると一気に様相が変わってきた。他の大学の卒業式の中止が報道されはじめ、筑波大学(以下、本学)でも卒業式の中止が決定し、さらには4月の入学式の中止も決まった。
そのようななか、学年暦を変更し、授業開始日を遅らせ、授業をオンライン化するという話が浮上してきた。まずは、在学生のネットワーク環境の調査が必要となり、調査に取りかかったのが3月中旬のことだ。ちょうどこの時期は新入生の入学手続きを行っていたため、同時に新入生のネットワーク環境の調査を行った。
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