増大号特集 特集2 新型コロナウイルスの影響と教育の展望
新型コロナウイルス感染症に対する愛知県の現状と養成所5校の工夫
髙口 みさき
1
,
福岡 公香
1
,
吉江 麻里
1
1愛知県保健医療局健康医務部 医務課看護対策グループ
pp.700-708
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201545
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はじめに
令和2(2020)年度のこの時期、本来であればどの養成所でも令和4(2022)年度から始まる新カリキュラムに向け、これからの看護を担う学生をどのように育てていこうか、と思いを馳せながら準備に取り組んでいるはずであった。新しい年を迎えてから新型コロナウイルスの影響が日増しに大きくなり、3月初めから緊急事態宣言解除まで、ほとんどの養成所で休校を余儀なくされた。
未知のウイルスに対する未だかつて誰も経験したことのない緊張した状況が続くなか、この危機を看護基礎教育機関がどのように乗り越えればよいのか、というマニュアルはどこにもない。だからこそ、各養成所の先生方が永年積み重ねてきたキャリアの見せどころともいえる。
愛知県(以下、当県)でも先の見えない不安に混乱する時期もあったが、どの養成所においても前を向いて、その特徴を活かしさまざまな対策をとっていただいている。そもそも改正指定規則の目玉といえる養成所の特徴を活かした柔軟なカリキュラム、ICTの活用などは今回の危機的状況への打開策に不思議なほど合致している。少し前倒しに、検討するチャンスを得た、ととらえ、力を合わせてこの危機を乗り越えたい。
まだまだ試行錯誤が続くとは思うが、当県の状況と養成所の工夫を紹介する。
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