特集1 ナイチンゲール生誕200年に看護を考える
現代の看護教育に活かすナイチンゲールの思想と視点
川嶋 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.372-376
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201478
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はじめに
ナイチンゲールの成し遂げた諸々の改革は、時代を超えて英国のみならず全世界で評価され続けている。その思想や理論の源泉には、神の法則性を守る信念と強い信仰心に支えられながら、その時代の社会的な諸矛盾に根ざした価値観への否定的精神がある。生誕200年を機に、時代を超えて古びない彼女の思想と視点を、現代の看護教育の直面している諸課題に照らしながら考えてみようと思う。
最初に、彼女の生きざまや数々の偉業のプロセスから、筆者なりに抽出した次のような卓越性1)を共有しておきたい。
・深い洞察力と批判力
・果敢な行動力
・統計を基礎にした科学性と経験知
・改革のための権力を恐れぬ発言
・弱者、貧者そして幼い人への、常にあたたかな視線
・可能な限り人脈を活用する力
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