連載 すべって,転んで,立ち上がるために 〜看護職生涯発達学から〜・9
子どもをもつ女性看護師の経験を見つめる
三好 麻実子
1
,
佐藤 紀子
2
1東京女子医科大学八千代医療センター
2東京女子医科大学
pp.1042-1047
発行日 2017年12月25日
Published Date 2017/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200889
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子どもをもち「看護」という仕事を続けていくことを選択した私
私は,ジャニーズ大好き中二長女・物作り大好き小五次女・おでこがひろくユーモアセンスのある4歳長男の3人の子どもと,自分の人生を謳歌し2交代勤務をしている夫のいる,5人家族の看護師です。私は,仕事と子育てを両立しているという表現をすることを大学院時代にやめました。当時,2人の子どもをもち,子どもをもつ女性看護師を研究対象にしていた私が,仕事と子育てを「両立している」「二足のわらじ」という表現をすると,聞いている人が苦しくなると佐藤先生に言われたことがきっかけです。当時はそんなことをいわれても,本当にあっちもこっちも忙しいんだと叫びたい気持ちでした。しかし,この研究を終えたとき,その状況を受け入れられたと思っています。それからは,人生が楽になりました。
私が,子どもをもつ女性看護師を対象に研究をしようと思ったきっかけは,自身の経験からです。長女を出産後,育児休業を経て,子どもをもち夜勤をすることは正直大変で,夜勤のため子どもと一緒に1時間電車に乗り,院内保育所に預け,夜勤を終えて,子どもと一緒に電車に乗り地元に帰り,保育園に預けるという二重保育をしてました。当時30歳でしたが体力も限界でした。そんな私は常に,こんな大変な思いをしてまでも「なぜ仕事を続けているんだろう。やめれば楽になるだろうに,なぜ続けているんだ」と自身へ常に問いかけていました。そして,その問いを追究しようと,大学院へ進学を決意し,子どもをもつ女性看護師を対象とし,仕事へ動機づけられている方々の経験をまとめてみたいと考えました。
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