連載 専門家と市民の架け橋 CoSTEP・3
CoSTEPが実施するサイエンス・カフェ札幌
種村 剛
1
1北海道大学高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターCoSTEP
pp.767
発行日 2017年9月25日
Published Date 2017/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200831
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みなさん,こんにちは。まだ夏真っ盛りのところも多いでしょうが,北海道ではお盆を過ぎると秋の気配が漂い始めます。さて今回は,CoSTEPが実施する「サイエンス・カフェ札幌」についてお話します。
サイエンス・カフェとは,市民と研究者が科学技術の話題について街中でコーヒーを片手に気軽に語り合うイベントです。1990年代後半にイギリスで始まり,日本でも2004年頃から実施されるようになりました。それまで,専門家と市民のコミュニケーションは,専門家が市民に一方的に内容を伝え,それが理解されさえすれば問題がないとする考えに基づいていました。これを「欠如モデル」といいます。しかし,次第にこのようなコミュニケーションの方法では,科学と社会の問題解決を考えるうえで,うまくいかないことがわかってきました。そこで,市民参加型の双方向コミュニケーションの手法として,サイエンス・カフェに注目が集まりました。とはいえ,看護領域では,サイエンス・カフェが行われる以前から,双方向コミュニケーションの重要性がうたわれていたように感じられます。実は,科学技術コミュニケーションは看護の取り組みから学ぶことが多いのです。
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