かたらい
進学コース卒業にあたって
中尾 美佐子
1
1社会保険横浜中央病院附属高等看護学院
pp.109
発行日 1966年5月1日
Published Date 1966/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912748
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同じ基礎的使命を持っている私たちの道が,現在ほど複雑であってよいのでしょうか。看護婦の,一本化が叫ばれ,准看護婦制度廃止が決議され(1964年12月5日日本看護協会臨時総会)1年余の今日,准看護学院は増加の一方とか聞いております。現に准看護婦資格の得られる看護高校が歓迎され,今年も20余校開校されるとか矛盾を感ぜずにはいられません。現在のように,同等の仕事をし,同等の責任を持ち,人間の生命に関する仕事にたずさわる私たちの道に,中学校卒業後進む准看護学院,高校卒業後の3年コースの看護学校,また新しい看護大学と種々の課程がありながら,卒業後,職場での業務内容がはっきりされていないから,「准看護婦は看護婦と同じことをしていながら……」などという問題があり,割りきれぬものがあるのではないでしょうか。教育課程が違うのであるなら当然仕事の内容も違ってくるのではないかと思われます。現在では,学校差が激しく,准看護婦,看護婦の区別をどのようにするか,大変むつかしいことですが,まず看護婦の教育を文部省におき,教育内容の一本化も,一つの方法のように感じます。
同じ仕事をしているのですから,上だの下だのという差別をするというのではなく,仕事の種類をはっきりするのです。そうすれば卑屈になる必要もありません。自分の仕事に今以上に自信を持って働けます。
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