特集 今,学生と共にいのちを考える
突然死による遺族の悲嘆とその向き合い方
米田 朝香
1
1東海大学文学部心理・社会学科
pp.998-1004
発行日 2011年12月25日
Published Date 2011/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101942
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はじめに
2011年3月11日に起こった東日本大震災以降,多くの人がいのちについて考えさせられない日はないといえる。この突然の自然災害により,多くのいのちが喪われ,それと同じだけ大切な人との別れも生じてしまったのである。今回のような地震や津波による自然災害の場合と事故の場合では,加害者が存在するか否かという違いはあるが,双方とも,突然起きた死別を伴う衝撃的な出来事という点においては同じである。本稿では,筆者が行った,2005年4月25日に起きたJR福知山線脱線事故の遺族である一組の夫婦へのインタビューをもとに,突然大切な娘を喪った遺族の悲嘆と,その後の事態への向き合い方について考えていきたい。
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