特集 模擬患者を取り入れた教育を見直す Part 1 模擬患者は何を学んでいるのか
扉
pp.501
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101796
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看護教育において,患者さんに実際に接する機会は,通常では実習しかありません。しかし,実習で出会う患者さんの数は限られますし,実際に治療中であることから考えると,少ない機会だからと言って,教育効果ばかりを優先するわけにはいきません。そこで,教育の視点から患者さんへの対応をシミュレートできる存在としての模擬患者が注目を集めています。模擬患者を取り入れることによって,講義やペーパーペイシェントはもちろん,実習でも経験できない多くの学びを,学生は得ることができます。
しかし,ここで注意しなければならないことがあります。それは,「模擬患者」自体の教育には,公式に決められたカリキュラムが存在しないということです。それはつまり,あなたの前にいる模擬患者が,どのくらいの知識や経験をもっているかが,はっきりとはわからないということなのです。当然,学生が学ぶ内容にも影響があるでしょう。
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