連載 医療と社会 ブックガイド・72
死の決定について・6:シンガー
立岩 真也
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.530-531
発行日 2007年6月25日
Published Date 2007/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100692
- 有料閲覧
- 文献概要
前回はヘルガ・クーゼの『生命の神聖性説批判』を紹介した。いくつもの論点を取り出し,そして残した。それらについては後で順々に考えていくことにして,まずは似たようなことを言っている人たちの本を並べてみる。
『生と死の倫理―伝統的倫理の崩壊』。著者はピーター・シンガー。1946年オーストラリア生まれ。メルボルンのモナシュ大学にずっといたが,今はプリンストン大学。多くの著作があり,その多くは邦訳されている。この本は10冊目の訳書。最初に邦訳が出たのは共著の本で『アニマル・ファクトリー―飼育工場の動物たちの今』(1980,訳書1982,現代書館),その後も編書で『動物の権利』(1985,訳書1986,技術と人間),『動物の解放』(1975,訳書1988,技術と人間)等が出ている。シンガーは,まず「動物の権利」論者として,知っている人に知られるようになった。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.