特集 看護の歴史はおもしろい 語り継がれる人と時代
第4部 教育方法・看護技術の歴史的考察
何を,どう学ぶことがよいのか―教育方法の変化とその背景
山口 榮一
1
1玉川大学教育学部
pp.1044-1051
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100537
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「教育のシステム化」をポイントにして論ずる
本稿は,看護教育の方法を考える一助として,教育方法の歩みを概観するものである。「方法を考える」ということは,ある目的を実現するための手段を考えることであり,教育方法を考えるということは,教育の目的を実現する手段を考えることである。学校であれ,学校外であれ,看護学部の教育であれ,病院での実習指導であれ,それぞれがその目的を達成するために,より効果的な方法を模索しながら教育を行っている。
教育は人を育てることであるから,心理学のように「人とは何か」という問いにとどまるものではなく,「人を育てるにはどうしたらよいのか」という方法的な問いを伴っている。これは,対象を観察し,その性質を明らかにするだけではなく,対象をよい方向に変化させる試みにほかならない。
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