特集 看護の歴史はおもしろい 語り継がれる人と時代
第1部 私の歴史研究
器物・文献資料総合データベースとフランス製人体解剖模型
月澤 美代子
1
1順天堂大学大学院医学研究科(医学史・医の人間学研究室)
pp.984-991
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100526
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
江戸のモノづくり
2002(平成14)年4月,文部科学省特定領域研究「江戸のモノづくり(正式名称:我が国の科学技術黎明期資料の体系化に関する調査・研究)」註1)が,フリーディスカッション的な検討会から着々と準備を重ね,2001(平成13)年度の総括班の活動期間を経ていよいよ開始されたのである。
科学研究費による補助研究の中でも,特定領域研究は一研究テーマに数百人の研究者が関与し数億の予算が配分される文字通りのビッグプロジェクトである。ここ数年,ほとんどが,ゲノムや脳科学,がん研究,プラズマといった理系の巨額の設備投資を必要とするテーマに対して配分されており,歴史研究で,こうした特定領域研究が組まれることは稀である。科学史,技術史領域では,あるいは初めてかもしれない。計画は緻密に,そして,魅力的なものでなければ申請は通らないし人も集まらない。しかも,計画申請を通すことで終わってはならず,なんとしても大きな具体的な成果をあげなければならない。こうして国立科学博物館主任研究員鈴木一義さんを中心とした準備チームの超人的な活動が始まった。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.