Scramble Zone
Web-basedで遺伝看護を学ぶ―海外のコースを受講して
青木 美紀子
1
,
有森 直子
2
1東京大学大学院
2聖路加看護大学
pp.494-499
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100072
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学習者にとってWeb上で教育をうけるメリットは,好きなときに繰り返し学習できることである1)。このような学習環境が提供されることにより,学習者は自分のペースで学習内容を選択していくことも可能となる。対面授業のデメリットとして,講義内容が学習者の習熟段階にあっていないときに学習者は「受け身」になりやすく,学習効果が低くなる,という問題点が指摘されているが,Web上ではそれが改善される可能性がある。また,Web上の教育展開は一方通行の情報提供という教育形態をイメージしがちだが,相互作用(インタラクティブ・ラーニング),協調(コラボレーティングラーニング)も学習環境の設定によっては可能であり,教育目標にそって展開方法を選択することができる。すなわち教育目標に適したWeb-based learningを選択していくことが,今後教育者に期待されている。
遺伝看護という用語は,1999年に日本遺伝看護研究会が設立された際に,Genetic Nursingの和訳として用いられたが,基礎教育においても統合された遺伝看護カリキュラムが提供されている教育機関は少ない2)。臨床においては,遺伝子診療部をもついくつかの大学病院において遺伝医療チームが編成され,看護職もその役割を担いはじめたばかりである3)。すなわち遺伝看護は現在構築が進んでいる新しい領域であり,すべての看護職に均一の知識・技術・情報が提供されているわけではない。
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