特集 「健康づくり」がパスポート―海外に飛び出した保健師
【海外活動REPORT:タンザニア】子どもたちの行動変容をめざして—小学校の環境整備を中心に
野澤 幸江
1
1広島県東広島地域保健所保健課
pp.938-944
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902700
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
国際保健に参加した動機
「国際障害者年」(1981年)と,それに続く「国連・障害者の十年」(1983〜1992年)が策定され,テレビ番組でも国内外の障害者や子どもの生活などが報道されることが増えた。それを見て当時小学生だった私は,援助を必要としている人たちの何か役に立ちたいと,子ども心に思うようになった。
その後,高校生の時に参加したボランティア活動から,地域や家族を支援する保健師に憧れていたので,看護学校卒業後は迷わず保健師養成コースへ進学した。受験勉強の最中,ラジオから湾岸戦争方のニュースが聞こえてきた。この瞬間,地球上で戦争が起こり,傷つき苦しんでいる人がいると,初めていても立ってもいられない危機感を感じた。日本は資源も市場も他国に依存して発展しているのに,自国の目先の利益だけ考えていていいのだろうかとも思った。そして,人生で一度くらい,自分のできるやり方で直接,国際貢献に参加してもいいのではと思うようになった。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.