連載 病とともに紡ぐ援助論・3
「魂が痛まないために」/「報われない善意」
ひらす けい
pp.528-531
発行日 2002年6月10日
Published Date 2002/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902636
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堅い蕾を抱きながら寒さに耐えていた樹々は,一斉に花を咲かせて人の世を浮かれさせたあと,いまは鮮やかな緑の葉でおおわれるようになった。初夏の自然の営みは,エネルギーに満ちあふれている。淡い黄緑色の,赤児のような柔らかい新芽が一日一日大きくなり,数日後には芯の通った濃い緑の葉に変わっていく姿をつぶさに見て,この時期の生き物に与えられた旺盛な生命力に勇気づけられている。
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