特集 健康文化都市づくり事業のいま
「健康文化都市指定以外のまちの動き」
健康なまちづくりの推進を支援する—佐渡島からのメッセージ
金子 淑子
1
1新潟県相川保健所地域保健課
pp.310-317
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901962
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保健所の状況1)
新潟県相川保健所が所管区域とする佐渡島は,1市7町2村からなる周囲約264km,面積約855km2の国内第2位の大きさの離島である。管内人口は減少傾向が続いており,現在の人口は(平成7年国勢調査)ピーク時の昭和25年当時と比較すると約40%減の約7万4千人である。産業は農業,水産業,観光関連産業が中心であるが,そのほとんどが小規模で,雇用の機会に恵まれないため若年層の島外流出が目立っている。また,高齢化が進行しており,65歳以上の老齢人口の割合は29.3%(平成8年)と県内二次保健医療圏の中では最も高くなっている。
管内の医療施設の状況は,一般病床は量的には確保されているものの,医師の充足,診療機能の充実が課題であり,また,精神病床および一般,歯科診療所については不足の現状にある。島内の公共交通機関はバスが唯一のものであり,概して不便であるが,各病院まで車でほぼ30分以内,遠い地域でも1時間以内に到達が可能である。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.