活動報告
自己実現のできる町づくりをめざして—民生委員とともに取り組んだ武岡地区の健康づくり
財部 マチ子
1
1鹿児島市山下保健所
pp.731-735
発行日 1998年9月10日
Published Date 1998/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901839
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要約
2年間の保健所を離れての勤務は,「保健婦って何だろう」「保健婦の仕事は何だろう」「いままでの仕事の展開は地域にどんな意味があったのか」ということと真正面から向き合う日々であった,この悶々としたなかで痛感したことは今までの活動はまだまだ個別支援中心で,生活の場であらゆる健康状態に合わせてもっと意識的に地域住民とともに,「人々が自らの健康をコントロールし改善できるプロセスについて取り組むこと」,つまりヘルスプロモーションの実践の必要性を痛感した。
その展開の糸口として,地域に精通している20人の民生委員とともに,地域の健康づくりについて語り合い,共通の活動目標を掲げ6年間いろいろな取り組みを重ねた。その取り組みのなかから,今後の私の保健婦活動に活かせる6つのささやかな視点を得た。
①民生委員は保健婦活動の最高のパートナーであることを思いつつ,民生委員とどう向き合うか。②地域の「ちょっといい話」探しは楽しく,地域の活性化につながる。③「健康づくりの達人」の発掘・資源化は保健婦活動の大切な仕事。④既存の活動に健康づくりの意義づけを行い,おおいに活用していく。⑤地域で人が元気になることの体験。⑥地域の人と夢を語り合いその夢の実現に向かうための歩み。⑥自己実現できる町づくりは保健婦自身の自己実現の過程であった。6年間の武岡地区での展開は,これからの私の保健婦活動の根幹を成すものになるにちがいないと思う。
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